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福澤美幸さん (8ys5uhkp)2023/12/15 16:53 (No.1009332)削除
『対岸の家事』朱野帰子(講談社文庫)
主人公の詩穂は、イマドキ珍しい専業主婦。幸せなはずなのに、孤独で寂しい日々。そんな中、ふだん交わることのないワーママや育休パパ等に出会います。家事などに疲弊している彼女達と手を取り合い支え合うようになります。誰かがやらなければならない「家事」。専業主婦は、たかだか家事育児をするだけで、時流に乗り遅れている絶滅危惧種と思われていますが、生き方が多様化している社会だからこそ、専業主婦も捨てたもんじゃないかもと、新たな提言をした「家事」小説。一読あれ。
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古藤隆浩さん (8yoxh8g4)2023/12/13 11:02 (No.1006642)削除
『グレイス・イヤー』(修正版12/13)

16歳になった女性が森の奥に閉じ込められる風習がある社会でサバイバルゲームをさせられる1年間=グレイス・イヤーを描くディストピアSF小説です。若い女性には魔力があるとされ、森の奥で密漁者につかまれば殺されてしまいます。食料不足、女性同士の敵対もあります。死の恐怖と闘いながら、女性の魔力を否定して生きる主人公は、どう自分を貫くでしょうか。女性同士の連帯も得て無事1年を終えた後主人公がとった選択に、作者は何を伝えたかったのでしょうか。 (217字)
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古藤隆浩さん (8yoxh8g4)2023/12/13 10:35 (No.1006622)削除
『アズミ・ハルコは行方不明』(修正版12/13)

地方都市の生活の満たされなさを世間の常識では埋められない女性の生きざまを描きます。人気のないキャバ嬢愛那、デキ婚後すぐシングルマザーになる今井さん、冴えないOL安曇春子の女性3名を中心に展開。職場の男性の視線に虚しさ、彼氏や同僚との関係にはかなさを感じた安曇春子は、ある日失踪します。行方不明・晴子の捜索がたまたま落書きアートの題材になってから何が起きたでしょうか。寄りかからず自らの足で歩こうともがく3名の女性の生き方を味わってみてください。(222字)
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山中妻蔵さん (8v4x5zg6)2023/12/11 08:26 (No.1004299)削除
ブレンディみかこ『R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房,2023年)
オリンピックから2年後、急速に進んだソーシャルクレンジング。ロンドンは福祉財源不足を理由に、シングルマザーと子どもたち200人にホームシェルターから地方への移住を迫る。「あたしたちをいない者にしないで」。声を上げた彼女たちはシェルターを占拠。闘争に人種も年齢も家族構成もジェンダーだとか無職とか、そんなことは関係ない。できる技をできない者へリレーして助け合う。小さなパンクハーストたちの抵抗運動に、同じ目的のために互いをリスペクトする者たちから勇気をもらえる物語。(231字)
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結城綾子さん (8u1unjkr)2023/12/8 16:03 (No.1000513)削除
八木詠美『空芯手帳』(ちくま文庫、2023年)

「妊娠しています」と職場でウソをついてしまう柴田。彼女は空洞の紙菅を作る会社の事務をする34歳の独身女性。色々な雑務はして当然とされ、不毛な呑み会でのセクハラ、もう我慢できない。ちょっとした実験のつもり。この偽装妊娠が巻き起こす柴田自身のそして周りの人達の変化を綴る小説。定時帰宅になった柴田の生活はなんだか潤いと彩りが生まれます。なんとエコー写真には胎児の影が写ります。何が起こったのでしょう。空洞な職場も空なはずの身体にも中身が埋まっていくようです。(227)
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鈴木康久さん (8x4g7kl5)2023/11/18 05:56 (No.978320)削除
「水を縫う」修正3
母は無難に堅実に生きてきました。娘は女の子っぽいものが苦手です。方や息子は刺繍が大好き。姉の結婚が決まり式が近づきます。地味なドレスを探せずにいると母の反対にあいながら弟が手づくりを始めます。ところが素人には難しく腕に覚えのある父に助けを求めることになります。その父はというと母に愛想をつかされ距離をおいて姉弟の成長を見守ります。女のくせに男なのに、父なのだから母でしょうと決めつけない家庭は愛情にあふれていて魅力的です。のぞいてみてください。
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匿名さん (8xolpb48)2023/11/18 00:26 (No.978218)削除
「水を縫う」(寺地はるな著)
修正2(2023.11.17)

無難に生きてきた母。娘はキラキラしたものを受けつけません。息子は刺繍が大好きです。姉の結婚が決まり式が近づきますが地味なドレスを探すのは大変です。それなら自分がと弟はドレスをつくり始めます。でも素人に簡単につくれるはずはありません。デザイナーを志望し腕に覚えのある父に助けを求めることに。普段父は離れて暮らし姉弟の成長を遠くから見守っています。女だから男だからそれはダメでしょう。母だったら父だったこうでなくてはという決めつけのない家庭の姿に考えされられます。
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多田曜子さん (8whqbjti)2023/11/18 00:05 (No.978197)削除
「三つ編み」レティシア・コロンバニ(2019年/早川書房出版)
インドの不可触民として生まれ、糞便回収を仕事としネズミを食べ生きるスミタ。イタリアの毛髪加工工場を営む父が倒れ、工房の倒産の危機に向き合うことになったジュリア。カナダでエリートキャリアを歩む中、がんの宣告を受けた弁護士サラ。3つの国の女性たちは、それぞれの境遇の中、理不尽な差別や仕打ちにもがき苦しみます。彼女たちは苦難にどう向き合うのか。3人の苦しみはやがて“髪”を通して繋がり、生きる希望へと変化していきます。逆境の中にも前を向き生きる女性たちの姿に勇気をもらえる一冊です。(239字)
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細川 利恵子さん (8xoarqvf)2023/11/17 19:24 (No.977908)削除
いいたいことがあります!魚住直子(偕成社)
小さい頃好きだった母が疎ましくなり、圧力と反発を感じる小6女子の日常を描く児童文学書です。謎の少女の出現で主人公に変化が。心の呟きに謎の少女が耳を傾けアドバイスをくれます。この事で主人公は、母親に思いを言葉で伝えられる様になるのです。これをきっかけに母親にも変化が。夫と家族に心の声を素直に言葉で話せる様になるのです。謎の少女の出現がこの家族に変化をもたらします。少女の正体は?言わなきゃ始まらないという主人公の強い思いが親子の難問を紐解く、前向きの1冊です。229字
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細川 利恵子さん (8xoarqvf)2023/11/17 19:20 (No.977900)削除
選んだ孤独は、良い孤独 山内マリコ(河出書房新社)26才男のサラリーマン初日。そこは人生の墓場と確信した職場だ。正気の無い先輩との営業が初仕事。その夜歓迎会後に無理して夢を諦めて就職した男の心を察知した先輩の「俺が逃してやる。」の言葉を背に初日で会社を辞め逃亡。後に助演男優賞の役者となり、拍手喝采の舞台に立つ男の大逆転人生。一見情けない結末だが、この男の孤独は良い結果となった。他にも、自由を履き違えた女子に振り回され捨てられる男の話もあります。この男達の不幸はある意味ラッキーな話かも。そんな男の人生劇場19話の短編小説です。238字
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