フェミニズム入門ブックガイド編集会議

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福澤美幸さん (8xo8x9d1)2023/11/17 18:28 (No.977864)削除
『僕の狂ったフェミ彼女』ミン・ジヒョン(イースト・プレス、2022)
主人公の僕スジュンは、別れた元カノに再会する。大人しく優しい綺麗な元カノがメガル(韓国でフェミニストを揶揄する呼称)になっていた!狂ってる!普通に戻してあげると本気で思う僕。彼女は、旦那や子どもがいなくても私がいるから寂しくないといいます。狂ってるのは普通の僕ではないだろうか。社会の刷り込みでなく、気づき、考え、話し、正しい知識を得ていくことが大切だと教えてくれる韓国の女性作家によるフェミニズム小説です。
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多田曜子さん (8xo834lo)2023/11/17 18:09 (No.977852)削除
3つの国の女性たちの物語。インドの不可触民として生まれ、糞便回収を仕事としネズミを食べ生きるスミタ。ある日娘のために、命がけの脱出を試みる。イタリアで家族経営の毛髪加工工房で働くジュリアは、ある日父が倒れ工房は倒産の危機が襲い掛かる。工房を立て直すためにジュリアが選ぶのは結婚か、新たな挑戦か。カナダのエリートキャリアを歩む弁護士サラは、昇格を目の前にがんの宣告を受ける。突然失うキャリアの道にサラはどう向き合うか。女性たちの理不尽な境遇に立ち向かう物語に、女性として生きる勇気を貰えます。(245字/字数オーバーごめんなさい)
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多田曜子さん (8xo834lo)2023/11/17 18:06 (No.977849)削除
「生を祝う」李琴峰(2021年朝日新聞出版)
舞台は未来の日本。様々な人権を求める歴史を経て、人々は命の自己決定権を認める「合意出産制度」を作りました。胎児に“生まれたい意思”がある場合のみ出産が許される時代。主人公・彩華は、妻の佳織との子どもを授かり、胎児の出産合意検査を待ちます。しかし検査をしないでと言いだす姉。突然知る謎の組織の存在。果たして二人の子どもは無事生まれることができるのか。人生の選択権を持つことの意味、命の重さ、人生の幸福の定義とは何か。一つのストーリーを通し様々なテーマについて考えさせられる小説です。(240字)
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多田曜子さん (8xo834lo)2023/11/17 18:05 (No.977848)削除
「彼女は頭が悪いから」姫野カオルコ(2021年、文春文庫)
2016年に実際に起きた東大生による集団強制わいせつ事件をテーマとした小説です。惹かれあう大学生のつばさと美咲。しかしつばさは“東大生”であり、美咲は“東大以外の大学生”でした。学歴至上主義や性差別意識が刷り込まれた彼らの日常は、やがて強制わいせつ事件へと発展します。事件はどのように起きていくのか?加害者が関わる人々との会話には、日常化された差別意識がまん延し、しかしそれは決して小説の中のものだけではなく、事件は私たちの日常にも繋がっているという事に気付かされます。(232字)
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結城綾子さん (8v3c35zy)2023/11/17 01:25 (No.977149)削除
「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」大前粟生(河出文庫、2023)
ジェンダーバイアス、性差別を扱った4作を収める中短編集。表題作は、相手に負担をかけるからと、ぬいぐるみに気持ちを話す「ぬいぐるみサークル」そこに集う大学生の七森剛と麦戸美海子。七森もサークルの先輩や仲間も他人を傷つけたくなくて気遣いする。そこは居心地の良い安心な居場所。七森は「男だから」こうするべき「みんなそうするから」という考えで生きたくない。不器用で時間がかかっても自分で考えて友達や好きな人との関係も築いていきたい。そんな彼はやさしくて、そして強い。(230字)
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結城綾子さん (8v3c35zy)2023/11/17 01:06 (No.977140)削除
「空芯手帳」八木詠美 (ちくま文庫、2023)
空洞の紙管を製造する会社の事務員柴田は34歳の独身女性。名前のない雑務を押し付けられ、セクハラも。キレて「妊娠しています」と言ってしまいます。ちょっとした抵抗のつもり。それが巻き起こす、彼女自身のそして周りの変化を描きます。空虚だった彼女の日々も少し彩りが生まれたようです。「空芯」とは、主人公柴田が勤める会社と偽装結婚の二重の意味で、「手帳」は母子手帳を連想させます。雑務は自分がすべきという柴田自身の思い込みやあきらめを「空芯」と理解するのはどうでしょうか。(230字)
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結城綾子さん (8v3c35zy)2023/11/17 00:51 (No.977135)削除
「風よ あらしよ 上下巻」村山由佳 (集英社文庫、2023)
伊藤野枝を知っていますか?これは野枝の生涯を描いた長編小説です。100年ほど前の日本を嵐のように駆け抜けた婦人解放運動家でアナキストです。わずか28歳で、関東大震災後の混乱の中、3番目の夫の大杉栄と共に虐殺されます。「女性だから」「慣習だから」と諦めず、同志の大杉と政府に縛られない自治による社会を目指します。そこは女性や立場の弱いひとも生きやすい社会です。お金や着物もある人がない人に与えれば良い。子育ては皆でする。そんな野枝の姿に自分を重ね、共感し力をもらえます。(230字)
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福澤美幸さん (8xn73iyc)2023/11/17 00:49 (No.977134)削除
『対岸の家事』朱野帰子(講談社文庫)
「絶滅危惧種」の専業主婦をご存知ですか?主人公の詩穂は「家事」を仕事に選んだ専業主婦。娘と2人だけで途方もなく繰り返される毎日に自信を失うことも。出会った多忙なワーママ、エリート公務員の育休パパ、子どもができない主婦、一人で暮らす老婦人と仕事を選んだ娘は「家事」や子育て、生きることに精一杯。「家事」は対岸ではなく誰もが無関係ではいられない長時間労働。24時間・年中無休で孤独との戦い。日陰に咲く紫陽花を探すように、救いを求めてみませんか。(219字)
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松沢さん (8xn4vcbu)2023/11/16 23:50 (No.977093)削除
「乳幼児の虐待死事件」の補欠裁判員に選ばれた、2歳の娘のいる専業主婦の里沙子。浴槽に8カ月の長女を落とした被告の水穂は、都内に住む30代の「ふつう」の女性でした。公判が進むにつれ、里沙子はじわじわと不安に飲み込まれ、水穂に同化していきます…恐怖にも似た育児の不安と孤独、周囲への不信感や母親という立場の持つイメージへ縛られていく息苦しさが、彼女の内面を通してリアルに描かれています。女性が自分、家族、親と向き合いながら、自らの声を獲得し自律していく、読みごたえある一冊です。
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古藤隆浩さん (8xmz1dkq)2023/11/16 21:04 (No.976928)削除
『グレイス・イヤー』(修正版11/6)

16歳になった女性32名が森の奥に閉じ込められるグレイス・イヤーの1年間を描くSF小説。女性には男性を誘惑する魔力などないと考え行動し続ける主人公や仲間が、食料の取り合い、女性同士の敵対、女性を狙う密猟者などと闘う姿が描かれます。女性の魔力、男尊女卑を肯定する仲間の存在、15名しか帰還しない死の恐怖など人間の暗い部分に目を向けつつ、そのなかでの主人公の強さ、敵対し合っていた女性同士の連帯は救いです。無事帰還後に主人公がとった選択は賛否両論出そうです。 (228字)
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