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山中妻蔵さん (8v4x5zg6)2024/1/1 21:04 (No.1027856)削除
中村航『サバティカル』(朝日文庫,2023年)第2校
エンジニアの梶は給料を使う暇がないほど仕事だらけの生活をしてきた。もう1周も2周もした気がする。そんな彼に5ヶ月の休暇、サバティカルが降ってきた。職務に追われてきた者が、自らの休息と成長のために仕事とは無縁なものに挑戦できる長期休暇だ。梶は休暇中にやりたいことリストを作って実行する。型どおりの勤務を中断しただけで冒険的非日常生活がはじまる。やるべきことが決まっている役割、ああしろ、こうしろの引力。自由になった梶は休暇終了までに、いくつ帰る場所を探せるか。
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多田曜子さん (8whqbjti)2023/12/31 01:25 (No.1025658)削除
『さらさら流る』/柚木 麻子(2017 双葉社)
28歳になった薫はある日、ネット上に流出している自分の裸の写真を見つけてしまう。写真を撮ったのは、学生時代に付き合っていた大好きだった光晴。でもなぜそれがネット上に流出したのか。ネット上にアップされた自分の裸の写真は、ただそこに男たちの消費物として拡散されていく。深いショックを受けつつも、彼との思い出をたどり、写真が流出した真相を探る薫。やがて真相を知った薫がとった行動とは―。傷ついた自尊心と向き合いながら、自分自身を取り戻していく主人公の姿を描いた、感動の物語です。(235字)
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松沢さん (8xn4dk4u)2023/12/29 22:17 (No.1024674)削除
金原ひとみ『腹を空かせた勇者ども』
パパ公認の彼氏がいるママとは理解し合えなくて、「心が半分焦げた感じ」を持っている中学生のレナレナ。友達のヨリヨリとミナミも家族への不満が爆発しそう…!陽キャだけど友達を思いやって考えすぎたりする繊細な主人公のくるくると変わる思考と感情、ノリよくリズミカルな会話は、全体的にスピーディーでドライブ感があります。今自分に何ができるか、スマホを駆使し、みんなに知恵を借り、100%でぶつかっていくレナレナをとにかく応援したくなる、エモさがギュッとつまった一冊です!(229字)
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和泉 友衣子さん (8v4x5zg6)2023/12/29 12:11 (No.1024060)削除
中村航『サバティカル』朝日文庫,2023年)
5ヶ月の長期休暇が舞い込んだ梶は仕事とは無縁のやるべきリストを作成する。油絵を描く。古墳を見る。天体観測する。得意料理を増やす。そんなサバティカルに将棋の師匠が現れた。師匠は大昔に借金で離別した娘に父親としての後ろめたさを抱えている。梶は生き別れた娘を捜すことをリストに追加する。恋人のためにすべきこと、家族にためすべきこと。世間の「べき論」は自分の人生の積み重ねから得た方法ではない。恋でもない愛でもない、それぞれの人生から紡がれた慈しみ方が織りなす物語。(230字)
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和泉 友衣子さん (8v4x5zg6)2023/12/26 11:33 (No.1021293)削除
塩田武士『氷の仮面』(講談社文庫,2020年)
小学4年のとき、翔太郎は同級生の真壁くんに恋をした。自分は男だと分っている。それでも恋心こそ本性だ。女の子にかなわないことが分かっているから羨ましくて仕方ない。彼女たちは女というだけでスタートラインに立てるのだ。産まれ持った身体と自分の性が一致しない。自分に正直に生きようとすると身も心も社会的に傷つけられる。性同一性障害の人々が付けざるを得ない氷の仮面が自分らしく生きたい熱に溶けていくさまを、映画化された『罪の声』同様、著者の精緻な取材が際立たせる小説です。(230字)
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細川 利恵子さん (8xoarqvf)2023/12/23 02:34 (No.1017932)削除
いいたいことがあります。魚住直子(偕成社)
好きだった母が疎ましく思い始めた小六女子の日常を描く児童文学書です。勉強、家事手伝いと母親の強要に反発を感じ悩む娘。その母親も実は同じ悩みを子供の頃から抱えていました。その思いを表に出せず、結婚後もその生きづらさに、がんじがらめになっていました。同じ事を娘に押し付ける連鎖が生まれていたのです。ある日、家の中で手帳を見つけた娘。手帳をめくる度に謎の少女が出現。幽霊?いや、どこかで見た顔の様な気がするのですが…。この事によって母と娘に変化が起きます。二人の関係性がどうなっていくのか。謎の少女の正体は?母娘それぞれが解放されていく物語です。270文字
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古藤隆浩さん (8yy9m1jl)2023/12/19 23:25 (No.1014631)削除
『アズミ・ハルコは行方不明』(修正版12/19)

地方都市の生活の満たされなさを世間の常識では埋められない女性の生きざまが描かれます。人気のないキャバ嬢愛那、デキ婚後シングルマザーになる今井さん、冴えないOL安曇春子の女性3名を中心に展開。職場の男性の視線に虚しさ、彼氏や同僚との関係にはかなさを感じた安曇春子は、自らある行動に出ます。行方不明・晴子の捜索がたまたま落書きアートの題材になってから何が起きたでしょうか。3名の女性はどのような接点を得るのでしょうか。(207字)
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古藤隆浩さん (8yy9m1jl)2023/12/19 23:25 (No.1014630)削除
『グレイス・イヤー』(修正版12/19)

16歳になった女性が森の奥に閉じ込められる1年間=グレイス・イヤー=を描くディストピアSF小説です。その風習がある社会では、若い女性には「魔力」があるとされ、森の奥で「密漁者」につかまれば殺されてしまいます。食料不足、女性同士の敵対もあります。死の恐怖と闘いながら、女性の魔力を否定して生きる主人公は、どう自分を貫くでしょうか。女性同士の連帯も得て小説の終盤で主人公がとった選択に、作者は何を伝えたかったのでしょうか。 (209字)
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細川 利恵子さん (8xoarqvf)2023/12/15 18:07 (No.1009403)削除
選んだ孤独は 良い孤独 山内マリコ(河出書房新社)
26才男サラリーマン初日。その職場は、自分の人生の墓場と確信。正気ってものがまるでない先輩との営業が初仕事。夜の歓迎会の時、その先輩は男に告げる。何をしたいかを深く考えずに何となく生きてきた主体性の無い奴らが、日本の普通のサラリーマンとなり、結婚し子供を養い家を建てるという型にはまり、義務と責任にがんじがらめになるのだ。その覚悟はあるのか。まだ、夢を諦めずにいるのなら「今、逃げろ」と。男のその後は?働き続け家族を養う象徴とされた男の生きづらさと本音が織りなす短編集です。240文字
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細川 利恵子さん (8xoarqvf)2023/12/15 17:53 (No.1009384)削除
いいたいことがあります。魚住 直子(偕成社)
好きだった母が疎ましく思い始めた小六女子の日常を描く児童文学書です。勉強、家事手伝いと母親の強要に反発を感じ悩む娘。その母親も実は同じ悩みを子供の頃から抱えていました。その思いを表に出せず、結婚後もその生きづらさに、がんじがらめになっていました。同じ事を娘に押しつける連鎖が生まれていたのです。ある日、娘の前に謎の少女が現れます。この事によって母と娘に変化が起きます。二人の関係性がどうなっていくのか。謎の少女の正体は?母娘それぞれが解放されていく物語です。231文字
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